注文の多い料理店 [小説]
伊坂幸太郎の『魔王』読了以来、読みたかった宮沢賢治を再読してみました。
宮沢賢治著『注文の多い料理店』ですが、これは作者が自分自身で以下のように述べています。
「注文の多い料理店/二人の青年紳士が猟に出て路に迷い、「注文の多い料理店」に入り、その途方もない経営者からかえって注文されていたはなし。糧に乏しい村のこどもらが、都会文明と放恣な階級に対するやむにやまれない反感です」
この作品には、いわゆる有島武郎的な、人間のエゴイスティックな部分を肯定しつつ、それを子供にドラスティックに見せていくというテーマが潜んでいるように思えてならないのです。当たり前のことを当たり前に伝えるという大前提があってこその童話、そのような作品こそ、宮沢賢治の真骨頂だと思います。
宮沢賢治の作品の中でも特に好きな作品です。
もう読んでから、ずいぶん時間がたっていますが、また読みたくなりました。最後の「紙くずのように顔がくしゃくしゃに...」の表現がコミカルで、かつ少しグロテスクなイメージでもって、記憶に残っています。
by 鯉三 (2006-07-14 20:25)
コメントありがとうございます!
宮沢賢治の作品は、どれも"童話"などのカテゴリで子供向けに描かれているにも関わらず、その底辺にはもっと(鯉三さんの仰るように)グロテスクなものがあるんですよね。そのあたりが、今でも私たちをひきつけてやまないところだと私も思います。
是非再読してみてください♪
by lilli (2006-07-15 07:23)