沖縄文学選 [小説]
純愛モノの前に真面目な一冊を。あ、でも『嘉間良心中』は純愛モノだからあながち間違っては無いかもー。
沖縄の文学アンソロジーというジャンルになるのでしょうか。私が特に感銘を受けたのは、『カクテル・パーティー』という作品と、『嘉間良心中』という作品です。 『カクテル・パーティー』のなかには、アメリカ式の親善と、アジア的な親善の対峙が描かれています。アメリカの「国際親善」は、「仮面の論理」であると沖縄人に言わしめるだけの超越的正義であるとした一方、主人公たちの言う、親善を破壊したのは誰か、という問いが、アジア的親善の視点を示唆しています。
最終的に主人公が見つけたものが何か。外交問題で揺れ動く中、知っておきたい「思い」がここにはあります。
『嘉間良心中』では、五十八歳の娼婦キヨと、十八歳の脱走兵サミーの奇妙な肉体関係が描かれています。当時のアメリカと日本の姿が赤裸々に投影されているこの作品は、題名の通り最後は悲劇的なものになってしまうのですが、同時にそれは、初めて沖縄人と成る為にキヨが再生を果たす物語でもあります。
琉球処分以後の沖縄の素顔を見つめなおす機会を与えてくれる一冊です。
お勧め度 ☆☆
こんばんわ〜
相互リンクさせていただきありがと〜ございます(ペコリ)
(私のブログ、最近さぼりぎみで更新が滞っていますけど^^;)
『沖縄文学選』いいですよね〜^^
私は一番好きなのは「九年母」です。
揺れ動く沖縄の微妙な立場が描かれていてせつないっす^^
沖縄文学は今とても興味があるので、もっと読んでみたいと思っているところです。
by のな (2006-06-28 19:50)
のなさん、こんにちは。
コメントありがとうございます!
「九年母」も良いですよね!今は『魂込め』が熱いですよ!是非読んでみてください!
by lilli (2006-06-29 13:17)