復活の日 [小説]
もうすぐ『日本沈没』が再映画化するので、小松左京先生の本を再読。素直に『日本沈没』を読もうと思ったのですが、映画見てから再読した方が良いかなーと思ったので、今回は小松左京著『復活の日』を。
MM88菌という未知のウイルスによって人類が滅亡する!という、まさに恐竜細菌絶滅説のようなことが現実に起こってしまったら?という近未来SFです。これを読んだ当時"白い粉"が各所に送りつけられるという事件があったからか、鮮明に記憶に残っていました。(あと、川原泉著『バビロンまで何マイル?』のなかでも何気に引用?されてましたしね)
女性の扱いが問題になっていますが(読めば解ります。女性なら怒りを覚える可能性もあります)滅亡という究極の事態に陥った場合、正気を保てる人間がどれほどいるものか…。時代的にもある程度仕方ないかな、と思うしかないところも。(田嶋先生には「穴と袋!」と怒られそうですが)そういった極限での人間のエゴを、うまく作品内で描いていると思うのです。
事態は細菌での滅亡の危機に留まらず、更なる事態へと…?!
最後まで目が離せない、珠玉の1冊です。再映画化はそういったジェンダー的な問題で難しいかもしれませんが、是非見てみたいと思います。
↓これは漫画ですが、川原泉先生の漫画は、非常に哲学的で、底辺にやるせないせつなさが漂っているところが大好きなのです。MM-88の話題が出ているというだけでなく、話も面白いので是非読んでみてください♪
本は読んでいないのですけど、
映画はテレビ放送時に見た記憶があります…
>女性の扱いが問題になっていますが(読めば解ります。女性なら怒りを覚える可能性もあります)
たぶん、映画では最後の方のシーンのことかな?って思います。
私もあの部分では「え!?」って思いましたよ。
完全に男性的な問題処理の仕方ですよね。
女性なら考えつかないかも…
小松左京の本は昔何冊か読みました。
短編もおもしろかった記憶があります^^
by のな (2006-07-15 23:38)
のなさん、こんにちは!コメントありがとうございます!
映画リアルタイムで見たんですねーうらやましい!そうそう、最後のほうです。逆ハーレムでいいかも、とも思えなくは無い…ですが、やはり「穴と袋」的ではありますよね。
他の小松左京作品も順次ご紹介していこうと思います♪
by lilli (2006-07-16 07:32)
やすだです。
「復活の日」確か、深作欣二監督の映画版を深夜放送でみた覚えが。
当時の国際政治情勢(=米ソ対立、核兵器の相互確証破壊の話)などを織り交ぜつつ、lilliさんのおっしゃるような極限状態の人間の行動とはあんな事になるのかと描いた部分は秀逸ですよね。
確かに女性の扱い・・・「資源」扱い・・・となってしまう部分なのでしょうけど、そうでもしないと女性の身体すら守ることすら不可能になってしまうギリギリの判断だったのでしょうね。取り残された場所が場所だけに。
雑文失礼しました。
by やすだこういち (2006-07-19 23:42)
やすださん、コメントありがとうございます!
国際政治はご専門でいらっしゃるのできっとお読みになられているだろうなあと思っていたら、やはり!という感じでした。
女性の扱いもそうなんですが、男性があっけらかんと「この子は目が俺に似てるから俺の子だ」みたいに発言しているのが、やはりなんかゆがんだ感じがしました。そんなもんかよ?!みたいな。出生率は半々なので二世代目以降は通常通りのパートナーになってくれたと勝手に想像しまた期待してます。
by lilli (2006-07-20 20:11)