痴人の愛 [小説]
今でも色あせない名作。
それはもちろん山のようにあるのですが、特に谷崎潤一郎の作品は現代の私たちが読んでも充分に共感しうる内容だと思うのです。
谷崎潤一郎著『痴人の愛』は、いうなれば「マイ・フェア・レディ」?「プリティ・ウーマン」?それとも「源氏物語」?美少女を見つけ出し、自分好みに育てて妻にする。そんな作品は古今東西たくさんありますが、日本の妖婦の代名詞となった"ナオミ"は、主人公譲治を逆に翻弄していきます。
実際、男性に見初められて淑女として育てられる、ということは女性にとって幸せなのでしょうか?
男にとって女性を自分好みに育てるということは最高!
というような話をたまに耳にしますが、ある人間がある人間を自分の思い通りに育てようとすると、(それが親子でも)どこかに絶対ゆがみは生じると思うのです。『痴人の愛』はまさにその"ゆがみ"を本質的に捉え、提示してくれています。大正末期の風潮のなか、ガラスの箱庭を破るには相当の痛みや怪我が必要だっただろうに、それを成し遂げられる人物"ナオミ"を創造した谷崎は、やはり天才だとしか言いようが無いのです。
しかし実はプリティシリーズも大好きなのでした。特にプリティ・ウーマンとプリティ・プリンセスが好きです。このシリーズでは、育てられるところまでは同じでも、外的変化のみで内的変化はあくまで"自分らしく"がモットー(さすがハリウッド)、キューティ・ブロンドは外的変化ではなく内的変化によって劇的に変身するところが見ていて爽快!
プリティ・ウーマン 特別版
プリティ・プリンセス 特別版
キューティ・ブロンド 1 & 2 ダブルパック
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