楊貴妃伝 [小説]
先日の記事の金田一少年のくだりを書いたのは本当に偶然なのですが、よく考えてみたらテレビで探偵学園Qをやっていたのですね。知らないところで人間の脳には色々な情報がインプットされているようです。
さて、本日の読了本は井上靖著『楊貴妃伝』です。
傾城の美女として知られる楊貴妃の生涯を綴った小説なので、伝記モノにもなるかもしれませんが、そんな単純な小説ではない!のです。私は昭和四十七年出版の文庫を持っていますが、全集では15巻に入っています。
舅である玄宗皇帝に妃として望まれた楊玉環は、望むと望まざるとに関わらず、運命を受け入れ、後宮に入り、陰謀渦巻く宮中の闘いにその身を投じることになります。権力者の意外な素顔、楊貴妃となるまでの苦難、愛の不思議。外見などが細かく描写されているせいか、本当に自分が主人公になったかのように感じます。
悪女のように言われがちな楊貴妃ですが、決してそれだけでなく、運命的な短い生を送った一人の女性だったのだと、この小説を読んでもう一度再考していただければ、と思います。
↓今ちょっと見てみたいと思っているDVD。ここまで酷評されているとかえって見てみたくなるものです。
コメント 0