ラッシュライフ [小説]
伊坂幸太郎著『ラッシュライフ』読了です。
実は途中まで友人の家で読んでいたのを忘れていた作品…。結末をざっと読んでから、再読しました。
さまざまな人間模様(泥棒、離婚間近のカウンセラー、失業者、神に魅せられた男etc)が同時多発的に存在し、それらの関係性がラストへとつながっていく、伊坂らしい作品ですね。二作目でもあるし、多少初々しさという名のわかりやすい伏線などが目立ちますが、個人的に坂口安吾の作品の一部が出ていたり、マニアな映画のことが出ていたり、マニアックな嗜好がやはり"ワールド"だなあと面白く読了しました。順番ばらばらに伊坂作品を読んでいるので、「あ、アノヒトが!」という発見が出来てすごく楽しかったです。まさに"ラッシュ"ですね。好きなエピソードとしては、やはりラストの豊田(失業者)が自分にとって大切なものは決して譲れない、という姿勢を見せたところでしょうか。首輪ちょんぎるシーンもなかなかよかったですが…狂人っぽさが出てて…。
お勧め度は結構高め。文庫も出ているので、伊坂作品をもっと読んでみたい!という方にはぴったりかと思います。
最近は坂口安吾、結構ブームのようですね。本屋でも『堕落論』が平積みになっていました。(文庫が出たからかな?)私的には信長が好きなんですが…。あとは不良少年とキリストとかね。作中に出ていた白痴の女性に~というのは↓この作品です。
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