さくらん [漫画]
『サプリ』を…と思っていたのですが、今日面白い発見をしたので先にこちらを。映画を見てからにしようと思っていたのですが…。
安野モヨコ著『さくらん』です。
後に日本一の花魁となる「日暮」の一生を描いた漫画です。廓に売られた子供がどのようにして女郎となっていくのかを細かく描写されています。「花魁になど、なりとうない」「なりとうてもなれんやつのほうが多いんじゃ。なりとうないは、なってから言え!」という台詞が印象に残っています。さらに「花魁はな、客に思ったことを言わせることができるんじゃ。それを手練手管というんじゃ」という台詞に、意地と張りが無ければ勤まらない過酷な女の世界が表現されているように思います。現在は休止中ですが「イブニング」にて続編を連載中です。
さて今日見つけた面白い発見というのが、以下のようなものなのですが…。
…このやうな民衆の好尚が如何に強かったかは、例へば談林俳諧の一巻でも通読したならば、思ひ半ばに過ぎるものがあるであらう。漁夫にとられた天の羽衣も質の流れと見、勅撰集での歌の選定も守随極めの秤にかけなければ止まないのである。又誰もが知る如く、近松の浄瑠璃では業平も当代の遊次郎の姿に、小町も島原・新町の遊女の粧ひに同じく描かれて居る。…(『頴原退蔵著作集』第十六巻-江戸時代の研究-)より引用
この主人公日暮(作中では「とめき」「おりん」「きよ葉」)の姉女郎の名前が上記に現れる「粧ひ」なんですね。映画では菅野美穂が演じるようです。美人で気が強く床上手という売れっ子花魁なのですが、こういうところで接点を見つけるとなんだかうれしくなってしまうのでした。
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